当院では,男性患者様の乳腺炎や乳がんなど,乳腺に生じる様々な症状に対して対応する外来を行っております.

 乳がんや乳腺疾患というと女性の病気と考えられることが多い実情がございますが,男性でも乳腺炎や乳腺のしこり(乳腺腫瘤)などを生じることもあり,当院では男性でも受診しやすい環境を整え,女性専用エリアとは別に男性の乳腺症状に対応する診療を行っております.

 当院はクリニックの半分を女性専用エリアとしており,まず第一に,女性のプライバシーや女性を大切にしているクリニックです.よって,男性の乳腺外来を受診される男性の患者様は,乳がん検診を受診される女性とは同じエリアで待つこともなく,女性外来を受診される女性とは別の場所で,院長の岸宗佑(男性医師)が診察致しますので,ご安心ください.

 乳腺診療においては,男性,女性で待合を分けております.そのため,男性の乳腺外来を受診希望の方は,月曜から木曜日および土曜日については午後3時から午後5時の間に受診をお願いしております.午前をご希望の方は,金曜日のみ午前対応を行っております.24時間ネット予約が可能ですので,受診希望の方はネット予約をお願い申し上げます.

 なお,どうしても,上記の時間帯で受診が厳しい患者様においては,当院の午前診療時間で女性患者様の予約がない日程であれば,対応できる場合もございますので,お電話にてお問い合わせください.なお,診療時間中は電話がつながりにくい状況ですので,できる限り,ネット予約にて午後3時以降の時間をご予約して頂き,御協力をお願い申し上げます.

 

男性乳がん

 男性乳がんの発生頻度は,女性乳がんの100分の1と言われております.男性乳がんの特徴は乳輪や乳頭直下などに発生することが多く,マンモグラフィーやエコー検査にて精査を行うことが重要です.
さらに,進行した場合には皮膚浸潤している場合もあり,気になる症状がございましたら,お気軽に受診ください.

 なお,当院はクリニックの半分を女性専用エリアとしております.男性の乳腺外来を受診される男性は,乳がん検診を受診される女性とは同じエリアで待つこともなく,女性外来を受診される女性とは別の場所で,院長の岸宗佑(男性医師)が診察致しますので,ご安心ください.

 24時間ネット予約が可能ですので,受診希望の方はまずネット予約を行い,予約枠が取れましたら,一度,お電話でも受診について事前にご連絡頂きますと幸いです.

女性化乳房

 男性であっても,女性ホルモン(エストロゲン)と男性ホルモン(テストステロン),両方のホルモンが発現しています.さらに,男性でも女性と同じく乳腺組織が存在しており,特に,乳輪から乳頭直下の部位に限定して存在しています.

 男性ホルモンと女性ホルモンのバランスが崩れた場合や女性ホルモンを肝臓で代謝しきれない状態となりますと,相対的に女性ホルモンが高まり,乳腺組織が発達して,痛みやしこり(腫瘤)として症状を感じることがあります.

 乳腺組織や乳腺周囲の組織が発達した状況を「女性化乳房(じょせいかにゅうぼう)」と言い,専門的には,いくつかのタイプに分類されます.大きく分けて,乳腺が発達するタイプである,「真性女性化乳房」と乳腺周囲の脂肪が増加する「偽性女性化乳房」の2つに分類されます.

真性女性化乳房

* 特発性女性化乳房
 ホルモンバランスが不安定になる,思春期の10歳代や70歳以降に多く見られますが,10代以降の全年齢で発症することがあります.
 思春期の場合には女性ホルモン(エストロゲン)が上昇し,乳腺組織の増殖を呈し,女性化乳房を発症することがあります.スポーツをする時に,衣服と胸が擦れて痛みを感じることやしこり(腫瘤)を自覚されることもあります.痛みが生じる場合や,乳腺炎を合併している場合には抗生剤や漢方薬などでの治療を行うこともあります.概ね,ホルモンバランスが落ち着く年齢になると,数年をかけて治癒していくことがあり,経過をみて対症療法しております.思春期の年齢では,心理的なフォローも必要であり,乳腺外科だけでなく総合内科診療を行う男性医師が,男性の乳腺外来を行っております.

* 2次性女性化乳房
 思春期以降では,他の疾患により女性化乳房を呈することがあります.甲状腺疾患,精巣腫瘍,肝疾患,肥満,腎疾患等によりホルモン代謝バランスが不調となり,女性化乳房となることがあり,内科での全身精査が必要となります.なお,クラインフェルター症候群も原因となるため,すでに診断されている上記の疾患がある場合には,ネット予約の際に問診に記載してから受診して頂けますと幸いです.

* 薬剤性女性化乳房
 男性の女性化乳房をきたす代表的な薬剤を列記致します.これらの薬剤で全ての方が女性化乳房となるわけではなく,患者様によっては内服していても発症しない方もおりますので,ご理解ください.
  ・心臓・血管疾患への治療薬:スピロノラクトン(高血圧治療薬・利尿剤),ジゴシン(心不全治療剤)
  ・抗アンドロゲン薬:スピロノラクトン(アンドロゲン作用あり),フルタミド(前立腺がん治療薬)
  ・筋肉増強剤:アナボリックステロイド
  ・化学療法薬:シクロホスファミド
  ・関節リウマチ薬:メトトレキサード
  ・抗不安薬・抗うつ薬:パロキセチン,セルトラリン
  ・抗精神薬:ハロペリドール,リスペリドン
  ・抗 HIV 薬:コビシスタット,エファビレンツ
  ・消化器の薬:オメプラゾール,ガスター,シメチジン
  ・嘔き気止め:プリンペラン,ナウゼリン
  ・脱毛・AGA 治療薬:プロペシア

真性女性化乳房の病理組織所見

 男性の乳腺組織が増殖している状態であり,病理組織額的には乳管拡張と乳管周囲結合組織の浮腫状の増殖が見られます.多くの場合,乳腺の小葉構造は乏しいことが報告されています.
 以下の偽性女性化乳房では,乳腺ではなく,脂肪組織の増加が特徴であり,病理組織学的にも異なるため,診断や治療などが異なります.

偽性女性化乳房

 外観からは,女性のように乳房が膨らんだ状態に見えるため,真性女性化乳房と間違わられることもございますが,病理学的には乳腺組織ではなく,脂肪組織の増加によるものが,偽性女性化乳房です.
 その原因としては,遺伝,幼少期の肥満,生活習慣病(糖尿病,脂質異常症など),肝機能障害,体重増加・肥満症などにより,脂肪組織が増加した場合に生じます.
 検査としては,マンモグラフィーやエコーにより乳腺組織の増殖なのか,脂肪組織の増加なのかを判断いたします.さらに,内科として全身精査が必要であり,当院の内科外来,消化器内科外来,総合診療外来にて,そのまま一度の外来にて対応することが可能です.
 偽性女性化乳房と診断した場合には,痛みがある場合には,鎮痛剤や漢方薬なども開始いたします.経過観察で改善する場合もございますが,継続的な治療指針としては,適度な運動とダイエット,原因となる疾患への治療を行います.
 当院では,内科的な保険治療の対応のみ,行っているクリニックです.脂肪吸引などの外科的な処置は行っておりませんので,脂肪吸引を希望される患者様は他院の専門病院への受診をお勧めしております.


 乳腺診療においては,男性,女性で待合を分けております.そのため,男性の乳腺外来を受診希望の方は,月曜から木曜日および土曜日については午後3時から午後5時の間に受診をお願いしております.午前をご希望の方は,金曜日のみ午前対応を行っております.24時間ネット予約が可能ですので,受診希望の方はネット予約をお願い申し上げます.

こちらから24時間ネット予約が可能です
事前に問診記載をして頂くことで
スムーズな診療が可能となります

初診時・再診時,いずれの場合も
マイナンバーカードが必須です
当院は国の指示に従い,受診時に