クリニック名とロゴについて

 クリニック名とロゴは,地域の方々および患者様に対しての顔となります.できるだけ,わかりやすく,シンプルにと考えて命名させて頂きました.

    「AMS きしクリニック札幌」

 より短く  「きしクリニック」
 より短く  「きしクリ」!

 いいと思います.呼びやすいですね.
 皆様のお好きな呼び方でお呼びください.

 インターネット検索に対応するため,通常はクリニック名に診療科目を入れることが開業の鉄則と言われております.

 しかし,人間は1つの臓器でできているわけではなく,これまで複数の診療科で,総合的に診療を行って参りましたので Simple is the Best ! ということで覚えやすい名前とさせて頂きました.

 

 岸という漢字の構成は,上部が山,下側は川から広がる湖や海を表現していると言われております.

 岸真理子先生と子供たちのイラストを元に,ロゴの素案を考えていきました.


山と海の境界.

そこは,海岸 = 岸でした.

 海岸は,太古の時代から海の生物と陸の生物の生命の進化の境界線です.船で旅に出る方々を港(= port)から送り出す場所でもあります.

 これから,がん医療の旅に出る患者様にとって体内に埋め込む CV ポート(埋め込み型血管内留置デバイス VAD)は,治療の旅の間,一緒に過ごされる最良のパートナーであり,バディ(Buddy)です.

 これまで,臨床では膵がん・胆管がんを第一に,胃がん・大腸がん,乳がんから血液腫瘍まで幅広い分野での,がん診療に従事して参りました.出身大学では外科病理診断およびがん研究を行い,細胞診の分野では専門医・指導医として活動しております.

 大学院の時代は,がんの進展と女性ホルモンとの関連を研究し英語論文を執筆することができ,医学博士の博士号を授与されました.

 これまで,多くのがん患者様を診療させて頂き,通常勤務からそのまま救急当直,36時間勤務も当たり前の生活を16年間続けて参りました.しかし,全員の患者様に添い寝して,毎日の生活に常に寄り添っていくことは現実的にはできません.

 その代わりに,私が気持ちを入れて手術した CV ポートは患者様の体内で毎日を共にするバディ(Buddy)になります.


 芸術品を創る気持ちで,私の家族に処置を行う気持ちで,そして,がんが治るようにとの思いも込めて全例の処置を行っております.

 内科医でありながら,北海道から沖縄まで,毎月,道外の病院様にも治療のためにお呼びして頂くようになり,年間 500-800件のCVポート埋設術を行うようになりました.

 血管痛がなく,安全な化学療法を実現することは治療継続および生活の質が向上します.食事が食べられなくなっても栄養点滴(エルネオパなどの高カロリー点滴)を行うことができ,よい治療を受けることができます.

 忘れてはならないことは,決して,抗がん剤を受けるために,栄養の点滴を受けるために,生きている人はおりません.ヒトにとって「生活や人生」が第一です.ヒトが「患者」になっても,忘れてはならないことです.

 私は患者さんの希望に技術で応える医者でありたい.
 CV ポート処置だけでも,新しく4つの手術方法を考案し,患者様の状態や希望に合わせて実践しております.

 CVポートなら前胸部埋設という1つの選択肢だけでなく,合併症がある方や生活の質を落としたくない方,美容的な側面を失いたくない方など,患者様御自身のヒトとしての御希望を第一にして,人生・生活までをケアした手術方法を考案して対応して参りました.

 点滴1つですが,手足の点滴(末梢点滴)とCV ポートでは,投薬できる点滴製剤に大きな違いがあることも一般の方々にはあまり知られていません.
 全てのヒトはいつか必ず患者になります.医療者と患者様の間で知識の差をできるだけなくしたい.多くの方に医療の本質の部分を知って頂き,「医療が文化」になるようにと願って活動しております.

(クリニックでは, VAD センターのリーフレットを作成しております.ぜひ,当院を受診されましたら,お持ち帰りください.)

 こうした思いとロゴの素案を元に,株式会社遠藤建築アトリエ代表の遠藤謙一良先生,長谷川拓也先生と内装計画やロゴについての構成案を検討して参りました.多くの専門家を介して最終的にまとまった渾身のロゴとなります.
みなさまに,気に入って頂けますと幸いです.

 遠藤先生は,みなさまご存知の通り,道内だけでなく日本中に素晴らしい建築を手がけられている北海道の宝と評される一級建築士の先生です.設計士様として建物を設計されますが,建築だけでなく,依頼主の気持ちを読み取り,依頼主の可能性と未来を創造される方です.遠藤先生との出会いは,かけがいのない経験であり,さらに,かなり厳しい工事スケジュールの中,工事を手がけて頂きました,平形工務店の岡田社長様をはじめ,開業に関わられた全ての企業様に深く感謝しております.

 最後に,なぜ,自然をモチーフにしたロゴを私が希望したか,それは,私たちの医療は,日本の素晴らしい自然に支えられているからです.

 点滴1つをとっても,人工的に作られたものではありません.日本の潤沢な「水」から作られています.

 日本では,なぜこれほどたくさんの素晴らしい輸液・点滴製剤が製造できるのか.それは,素晴らしい水資源が豊富に得られるからです.

 地球上でも奇跡的な位置に存在する北海道では,降雪・降水に恵まれています.

 雪と雨は,山と大地を通り,磨かれて素晴らしい「水」となり,日本の医療を支えています.私たちのクリニックも縁の下の力持ちとして,皆様の健康に貢献したいと思っております.

 自然への感謝と医師としての使命,岸という漢字が持つ意味を1つのモチーフになるようにロゴを検討して参りました.

 北海道の最高峰の山,大雪山・旭岳をモチーフに平和の鳥・ハト,もしくはシマエナガにも見える雪溶けの様子は,北海道民にとっては春へ向かう心が温まる光景です.

 空に輝く北極星は,古来から世界中で旅をする冒険家の道標になってきました.クリニック名は,Atlas Medical Service きしクリニック 札幌 (AMS きしクリニック札幌)です.Atlas は私が考案した手術方法の名前であり,世界地図という意味もあります.患者様の治療の旅において,「地図のような役割を果たしたい.」という気持ちが詰まっております.

 日本の雄大な自然,美しい山,綺麗な海を見つめた時に,そこに「きしクリニック」はあります.

 素晴らしい日本の風景の中で,きしクリニックのことを思い出して頂けると幸いです.

 北海道の開拓が始まった街,琴似にて,最新の医療機器を多数配備し,素晴らしいスタッフと岸真理子先生,岸宗佑が笑顔で皆様をお待ちしております.

ロゴバランス:
 上部(北極星と山)のエリアは正方形
 下部(岸と海)のエリアも含めると,1:1.4のバランスで,白銀比(大和比)の構成です.

白銀比とは:
 古来から日本では,法隆寺金堂や五重塔,そして,伊勢神宮など木造建築や彫刻,生け花まで白銀比にて構成されています.生活でも頻用される用紙規格である A4, A3 なども全て白銀比です.有名なキャラクターとしては,ドラえもん,東京スカイツリーまで同様の構成比率であり,内装建築をお願いした遠藤建築アトリエ 代表 遠藤謙一良先生と長い時間をかけて構成について議論し,最終的なデザインへ遠藤先生が昇華して頂きました.